OK Baji ネパールと世界のパイプ役 垣見一雅

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OKバジ 垣見一雅

 本名は垣見一雅(かきみ かずまさ)さんです。

 早稲田大学を卒業し、順心女子学園で英語教師を務めていましたが、ヒマラヤ登山中に雪崩に遭い、ご自分のポーターさんが亡くなってしまいました。彼の村を訪ねると厳しい条件の中で暮らす人々の姿が見え、1993年に退職し、パルパ郡で草の根ボランティアとして1人で活動を始めました。今でも事務所も持ちません。集めたお金を100%村々に届けたいのです。

 村に学校を建て、病気の人に治療費を出してあげていたのにテントに住んでいたため、村人が6畳程の家を建ててくれました。その家にも月に2日ほどしかいないのは、車の行かない村々を歩いては、村の人々が何で困っているかを聞いて回っているからです。
 ネパール語が話せなかった頃、村人達の窮状を聞いて、「OK、何とかしてみるよ。」と英語で言っていたため、子ども達から「OKおじいさん(OK Baji)」というあだ名をもらいました。

バジの写真1

ネパールの人々に愛される日本人

 OKバジさんと村々を歩くと、どんなに遠くからでも子ども達が「バージー!ナマステー!」と声をかける場面を何度も目にすることになります。ある村ではバジさんの姿を見たとたんに泣き始めるおじいさんもいました。それほどにバジさんに会えることが嬉しいのです。ネパールにこんなに愛されている外国人が他にいるのでしょうか。

 これほどまでに地元の住民に愛される理由は、何と言ってもその暖かいお人柄なのですが、もう一つ挙げるとすれば、「現場優先」「住民主体型」の支援を徹底してこられたからだと思います。

バジの写真2

歩くバジ1

歩くバジ2

 以前、有力者を通して色々な物を作って、「もっと喜んでもらえると思ったのに。」「作ってやったのに、なぜもっと感謝しない。」「なぜ大事にしないんだ。」と横柄な態度を取るアメリカや日本のボランティア団体が、いくつもありました。しかし、そういった団体は、南西部の貧しい地域から出た、マオイストという武装闘争を行う政党が政府との間で内戦を始めたときに追い出されてしまいました。地位や権力や富を持つ人々とその回りに最も都合の良い支援だったからかもしれません。
 マオイスト達が追い出すことができなかったボランティアは、OKバジさんぐらいなものです。組織を持たないOKバジさんは、ご自分の判断で戦火の町や村に留まったのです。しかし、活動はできなくなりました。
 そしてしばらくすると、マオイスト達は自分たちの支持母体となるべき貧しい人々から、大量の苦情を受け取ることになりました。地域の人々が、OKバジさんの活動をやめさせたことに対する苦情の手紙を書いたり、陳情をしたりしたのです。とうとう、マオイストはOKバジさんが活動を続ける許可を出さざるを得なくなってしまいました。

自助努力の助けになる支援

 ある山村で、陳情に来た若者と話し終わった後、OKバジさんが私に「彼には、残念だけど力を貸すことはできないと言って、帰って貰いました。」と悲しそうな顔をして、言われたことがあります。窮状を訴えて、OKバジさんに力を貸して貰おうとした遠くの村の若者は、自分たちが何をするのか、いくらお金を集めることができるのかを、最後までOKバジさんに提示することがなかったのです。
 「村が本当に何かを欲しいのであれば、たとえ少額であっても、みんなでお金を集めることはできるはずです。村の人が無償で労働奉仕をしても作り上げようとするはずです。労働奉仕をするのも、お金を出すのも大変だと言うのなら、それは本当に欲しい物ではないはずです。欲しいというのが、まだ村の総意にはなっていないのです。」とOKバジさんは言われました。

 雨期で村々を回る活動のできない2ヶ月だけOKバジさんは日本に帰ります。
 日本国中を講演して回るのですが、講演のない日の日課では、電車を使わずに歩いて二百数十円の電車代を貯めます。ネパールに戻ったときにそのお金で米を買い、米を買えない貧しい家にプレゼントしに行くためです。ご自分に縁のある人々の中で、米の必要な家庭を日頃からきちいんと見ているからできることです。支援を求めてきた人だけを見ているわけではないのです。

村の人々とバジ

歩くバジ3

日本の善意の支援者とのパイプ役

村人とバジと平尾住職

 「声に出せない人々の声を反映させないと、開発は益々格差を生んでしまうもの。支援を必要としている人たちと日本の善意の支援者とのパイプ役に徹したい。」というのが、OKバジこと垣見一雅さんの支援の基本姿勢です。

 2009年に吉川英治文化賞を受賞、1997年には当時のネパール国王より日本人で初めてゴルカダッチンバウ勲四等を授与されています。バジさんのネパール在住10周年記念には、歩くしか移動手段のないような山間部の人たちが15,000人集まりました。人気のあった以前の国王が来たときでも、8,000人程度しか集まらなかったのにです。

著書と関連書籍

垣見一雅さんの著書

『OKバジ-村人に魅せられ、ネパールの山奥に住みついたひとりの日本人』
出版社:サンパティックカフェ
(日本図書館協会推薦図書)

関連書籍

『笑顔の架け橋』 垣見一雅/メグラージュ・シャルマ/関昭典 編著
自費出版
価格:1,680円

『我らのOKバジ』 ニルカンタ・ネオパニ著 ジギャン・クマル・タパ訳
自費出版
価格:800円

『道を楽しむ―OKバジと歩いた10日間 ネパールの村歩き』 桜井 ひろ子著
出版社: サンパティックカフェ
価格:1,365円

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